平成30年度宮城県公立高校後期選抜速報講評

 

タフでなければ生きていけない。

優しくなければ生きる資格がない。

戦わなければ生き残れない。

どうも、アトムです。後期選抜の第一印象、まとめていきます。

(ざっとまとめており深くは解いてません、悪しからず)

 

国語 分量 やや多 難易度 やや難 

各大問に話し合いを題材とした問題が出題され、逐一流れをつかみながら本文と対照し解き進めなければならず、面倒な印象を持った受験生が多いと思われる。

 

第一問は例年通り小説。山本甲士「ひかりの魔女」よりの出題。家族のつながりを描いた作品は宮城県で定期的に出題されており、過去問で研鑽を積んだ受験生なら戸惑うことなく読めたと思われる。記述題は45字とすっきりまとめる必要がある。過去に出題された前問の誘導を理解していなければ解けないような難問ではないため、標準的な出題である。問六は連続で本文を俯瞰し表現の特徴を問う問題となった。

(分量 やや多 難易度 標準)

 

第二問は森博嗣「科学的にはどういう意味か」よりの出題。科学に関する一般的な話題を扱っているものの、文体の硬さから読みにくさを感じた受験生も多いかもしれない。記述題は第一問と同じく45字であり、こちらは本文要約という過去の出題例を考えると難易度の高い問題となっている。それまでの問題が誘導となっており、うまく流れに乗ってすっきりまとめたい。問七は表現上の工夫を問う問題となった。

(分量 標準 難易度 やや多)

 

第三問、第四問は古文・漢字・会話の問題で、特段突飛な出題はなかった。

第五問は、与えられた俳句から一つ自分の抱く「春」のイメージに近いものを選び、鑑賞を交えつつ選んだ理由を記述する新傾向の問題。形式は昨年のスローガンを選ぶ問題と同じものの、難しさを感じた受験生は全体のタイムマネジメントに苦労しただろう。

 

数学 分量 標準 難易度 標準 

第一問は例年通り小問集合。7番の一次関数の値の変化について述べる問題は、近年全国的に出題されている「途中計算の誤りの発見」「天気予報における正負の数の活用」といった近年のアクティブラーニングの趨勢を背景とした考察の入る問題であると言えよう。難易度は低いが「確実に取らなければならない」小問として出題されると心理的な負担は大きいかもしれない。標本調査の問題が二年連続で出題された。

 

第二問は例年通り中問集合。連立方程式の文章題(やや易)、三角形の回転(標準)、放物線と直線(標準)、確率(標準)といった組み合わせ。難易度的には標準としているが、いずれも設定をしっかりと読み取る必要があり、時間をとられた受験生が多いものと思われる。

 

第三問は関数の問題。例年通り設定を丁寧に読み取り、消化できればよい。

 

第四問は平面幾何の問題。例年通り難易度は高いが、前期と比べて前半二問は平易なので、そこまでは得点を確保したい。

 

社会 分量 やや多 難易度 標準 

第一問は南米地理。学習が薄くなりがちで厳しい。第二問は18歳選挙権の影響か選挙権に触れた出題がなされた(的中!)。第三問の歴史では年々歴史事象の流れを正確につかむことを要求しているが、全体的には平易な問題(御成敗式目関連の出題は的中!)。第四問は日本の工業を題材にした融合問題。第五問は「日本の企業のものつくり」とホットな話題が出題された。

昨年と同様、各大問に知識をベースに資料を読解しまとめる重厚な記述問題が配置されたが、全体的に難易度は調整されている印象。

 

英語 分量 やや多 難易度 標準 

前期と同じく会話重視の問題構成だが難易度は調整された感じがする。「広く浅い」読解を求めている印象で、文章構成を深く問う問題は影を潜めた。自由英作文は困っている外国人に英語で説明する問題となり、例年の自分の考えを陳述する形式ではなかった(前期は会話体ではあるが本質的には変わらない出題であった)。宮城県の過去問だけでは対策は難しかっただろう。

 

理科 分量 標準 難易度 やや難

「吸熱反応」「栄養生殖」は厳しい用語問題。盲点になりやすい実験が並び、全体的に解きにくい。

 

平均点は255~275点の間ですかね。